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special

中輩ウンディーネ座談会
ダイジェスト公開版
[藍華・S・グランチェスタ役]斎藤千和
×
[水無灯里役]葉月絵理乃
×
[アリス・キャロル役]広橋 涼
15年続くキャラクターとの関わりの中で気付いたこと
『ARIA The CREPUSCOLO』と同様、『ARIA The BENEDIZIONE』もコロナ禍におけるアフレコとなりました。前作では掛け合いのあるキャスト同士でなるべく一緒に収録されていましたが、今回はいかがでしたか?
斎藤
私は皆川純子さん、島本須美さんと一緒でした。純子さんとの掛け合いは15年間ずっとやっていますから、録り直しもなく収録時間は短かったですね。当日は絶対に泣くと思っていたので、高品質なティッシュを持っていったんです。でも、それが必要になる場面はなくて。収録後に天野(こずえ)先生からパンフレット用の描き下ろし漫画を読ませていただいて、そこで初めて純子さんと二人で泣きました。
やはり掛け合いができたことはプラスでしたか?
斎藤
そうですね。以前なら『ARIA』のアフレコはスタジオに音楽が流れていて、みんなでお茶しながら雑談をいっぱいしていたんです。それが気持ちのスイッチにもなっていたんですけど、コロナ禍でアフレコのやり方が変わったことで、私も純子さんもまた違った集中力の入り方で。あと、島本さんの存在も大きかったですね。純子さんと二人だけだと、もっともっとセンシティブな感じになっていた気がするんです。レジェンドな先輩がすぐ近くにいらしたことで、いい緊張感を保ちながらやれたんじゃないかと思います。
葉月
私はアリア社長役の西村ちなみさんと一緒でした。しかも収録の順番が最後のほうだったみたいで、みんなの声が入った映像を観ることができたんです。おかげで感覚をつかみやすくて、なんのつまずきもなくサラッと終わりました(笑)。
今回、灯里とアリア社長のやり取り自体はそこまで多くないですよね。
葉月
そうなんです。アリア社長はアイちゃんと一緒にいることが多いので、シーンごとで別々に録りました。TVシリーズの頃は灯里が話している後ろでアリア社長が何かをしているシーンがいっぱいあって、アリア社長のセリフは後で別録りのパターンが多かったんです。でも、今回は同じ流れの中で録っていて。こういう録り方は『CREPUSCOLO』からですね。
広橋
私は中原麻衣ちゃんと渡辺明乃ちゃんと茅野愛衣ちゃんと録りました。それぞれ演じるキャラクターが出ているシーンごとに録っていったので、待っているときは雑談ばかりしてました。
斎藤
そうなんだ(笑)。
広橋
うん。収録の時間は一緒でも、出ているシーンは違っていたから。アフレコ中に思ったのは、明乃ちゃんがアルくんをやるのを見るのって久しぶりだなあ、と。しかもアルくんがちょっと大人になっているから、どうする?という感じになっていて(笑)。最初にやったアルくんは超カッコよかった。
斎藤・葉月
(笑)。
TVシリーズの第1期から15年が経ちましたが、改めてそれぞれ演じるキャラクターに対する印象を教えてください。
斎藤
15年経ってやっと、私は藍華に似ていたんだな、とはっきり思いました。TVシリーズの頃も似た部分があるとは思ってましたけど、あくまで当時の私が抱いていた悩みや物事への感じ方が藍華とイコールという感覚だったんです。そのせいか、もっと深い部分で似ていることに気付けなくて。年が経っていろいろ落ち着いて藍華をより客観的に見られるようになったことで、めっちゃ似ていたんだとわかりました。私は全然平気~♪みたいな頑張り方をするタイプだったなって(笑)。15年分年を取ったことで、先輩たちに近い目線で藍華のことを俯瞰で見られる立場になったのが大きいと思います。
葉月
私自身、『ARIA』と出逢う前は自分がどういう人間なのかよくわかっていなかったんです。鈍いとかトロい部分も含めて周りから灯里と似ていると言われて、自分が人からどう見られているのかを知れたようなところがあります。
広橋
私は最初、アリスと自分ってそんなに似てるかな?と思ってたんです。でも、アリスが自分ルールにハマっているお話を観たときに、はいはいやってたやってた、となって(笑)。そういうのがあってから、自分の思春期を見るような感じでアリスと向き合うようになりました。自分が思春期だった頃からもう30年ぐらい経ってますけど、改めて俯瞰で見てもアリスの印象はあまり変わってない気がします。すごく成長した面があると思う一方で、相変わらずハムスターみたいに同じところをグルグル回っているようにも見えるという(笑)。
斎藤
また来るぞ、と(笑)。
広橋
そう。成長してもまた回ってくるからね、みたいな。アリスのそんな両面を味わえたことが、愛おしいというか。
『ARIA』は世界の一部に触れるだけでも満足できる作品
蒼のカーテンコールでのファンの反響をどのように受け止めましたか?
斎藤
完成披露と初日の舞台挨拶は子供が産まれたばかりで行けなかったのですが、大ヒット御礼の舞台挨拶に参加することができたんです。ステージ上から観客席を見渡したら、見るからに『ARIA』が大好き!という人たちばかりで。挨拶をする側もみんな『ARIA』が大好きなので、本当に『ARIA』を好きな人しかいない状態。上映前の挨拶だとネタバレNGがセオリーなんですけど、皆さんはもう何十回と観ちゃったよね、みたいな(笑)。TVシリーズのエピソードについて話しても、うんうんとうなずいたり目を潤ませたりしながら聞いてくださる人がいて、みんなの中にずっと『ARIA』があり続けていたんだと思ったら胸がいっぱいになりました。同じ想いを持った人たちが大変な時期に会場までわざわざ来てくださっている段階でもう“恥ずかしい”状態ですから、「恥ずかしいセリフ禁止!」も言ってほしいだろうな、という感じで(笑)。それがありがたかったですし、ホーム感がすごかったです。
葉月
『AVVENIRE』以降、『ARIA』のイベントがすごく増えたんですよね。会場に集まってくれた皆さんが、ステージ上の私たちを見てニコニコしてくれている雰囲気が本当に大好きで。『CREPUSCOLO』でも『BENEDIZIONE』でもそういう時間を作ってもらえたことがすごく嬉しかったし、会場にいると、戻ってきたという幸福感がありますね。
斎藤
本当だよね。
大ヒット御礼の舞台挨拶では、アフレコでは泣かなかったという皆川さんが涙する姿も見られましたね。
斎藤
あれはステージに出る前に、飯塚(寿雄/プロデューサー)さんから「今回の舞台挨拶で最後になります」と言われたのが原因だったみたいで(笑)。純子さんの目が潤んでいると思ったら、一体何が!?というぐらい急に涙が止まらない状態になったんです。それを見て、みんなもウルッと。
広橋
『CREPUSCOLO』のときはオレンジぷらねっとがもう一回集まれること自体が奇跡だったから、やったー!という雰囲気にはならなくて、すごいねーという感じで。でも、(佐藤)利奈ちゃんは泣いてました。やっぱりいろんなものを抱えていたから。
斎藤
大ヒット御礼の舞台挨拶のときに純子さんが、絶対に(川上)とも子さんの名前を出したかった、と言っていて。とも子さんが台本をバサバサー!と落としちゃったのを純子さんが拾ってあげて、それを(大原)さやかさんがあらあらという感じで見ている(笑)。そういう関係が、すごくARIAっぽかったという話をしていたんです。私も純子さんがあえてあの場所でとも子さんの名前を出したかった気持ちがなんとなくわかったし、言葉にしてくれたことに感謝の気持ちが湧きました。同時に、みんなで作ってきた『ARIA』なんだってことがお客さんたちにも伝わって、それってすごいことだなと思って……やっぱりここでも「恥ずかしいセリフ禁止!」って言ったほうがいいですかね(笑)。
広橋
言うのは会場で(笑)。
葉月
(笑)。
8月24日に発売されるBlu-rayは特典も満載となっています。その中で気になるものはありますか?
葉月
小樽に行ってきました! 小樽の北一ヴェネツィア美術館で撮影した映像(さとじゅんの『ヴェネツィアごめんin小樽』)が特典として入っているんですけど、まだ完成したものを観ていないのでどんな内容になっているのか楽しみです。当日は台本なしの状態で、館内の素敵な展示物をひたすら紹介する感じだったんです。なので、どんな映像に仕上がっているか想像がつかないんですけど(笑)。
北一ヴェネツィア美術館では本場のゴンドラも見られるんですよね。
葉月
ゴンドラとかイタリアから取り寄せたヨーロッパの家具が展示されていました。ゴンドラは2台展示されていて、そのうちの1台は歴史的にも貴重で世界唯一無二のものなんです。本編に出てくる水先案内人ミュージアムに行ったような感覚で見学できる場所だと思います。
広橋
私が気になるのは再現アフレコ(「再現!その 薔薇色のアフレコは…」)。
斎藤
そうだよね。『BENEDIZIONE』の本編では麻衣ちゃんと一緒にアフレコできなかったから、個人的には姫屋の3人で録るのが楽しみ。でも、「再現」って何?と思った(笑)。
広橋
(『CREPUSCOLO』のBlu-rayで)再現したよ、私。すごい大変だった(笑)。
葉月
同じことを『BENEDIZIONE』でもやるんだ、と思って(笑)。
再現アフレコはTVシリーズと同じシーンを再現するものですね。キャストは姫屋の3人しかいないので、他のキャラクターもその方たちが。
斎藤
他の役をやるんですよね。それが楽しみなんです。
広橋
でも、やっぱり本物には敵わないって(笑)。
他にもドラマCDが収録されますね。姫屋内での話、中輩3人のお話、さらにフィナーレということでARIAカンパニーがメインのお話の3編が収録予定となっています。
斎藤
ARIAカンパニーのお話はグランマも出てくるんですか?
広橋
グランマの声、聞きたいよね。あの背が小さくなった人たちのお話を聞きたい(笑)。
斎藤
背は小さくてもお話は聞き応えがあるものになると思うけど、本音を言えば映像で観たいかも。紙芝居みたいなものでもいいから。
広橋
紙芝居でもいいよ。あの大きさだから(笑)。毎週やってたクイズみたいなものは入るんですか?
ミニゲーム映像の「開幕前~アリア社長からの挑戦状~」ですね。それもちゃんと入ります。
斎藤
すごい盛りだくさんですね。楽しみ。
蒼のカーテンコール三部作を振り返っての心境を教えてください。
広橋
カーテンコールを3回もやれたのは、観客からそれだけ求められているわけですよね。ありがとうを言って舞台からはけたらまた出てきて、何回もやるんだ、みたいな(笑)。その状況が、すごくありがたいことだと思って。
葉月
終わる終わると言われ続けてきたけど、ここまでくるともう終わらない気がする(笑)。だから、すごく楽な気持ちで『ARIA』に関われるようになった感じもします。
斎藤
『ARIA』の場合、この世界でみんなが幸せに生きていて、その一部に触れるだけでも満足できるんですよね。役者としては自分のキャラクターが出てほしい気持ちはもちろんあるけど、そうじゃなくても得るものがたくさんあるから気にならないというか。たとえ後輩ちゃんたちのお話になって自分のキャラクターがたまにしか出なくても、それはそれで『ARIA』として満足感が得られる。そういうフラットな感覚です。
広橋
画面の向こうではいっぱいの人が生きていて、今回出てきた新しいキャラクターはたまたまそっちにカメラが向いたから撮ることができた。そう考えると、私たちが知らない人は他にまだたくさんいるだろうし、カメラの方向を変えたらまた別のお話が生まれるんだと思う。
葉月
新しい物語ができてアフレコをやれるのは、もちろん嬉しいことなんです。でも、たとえそういうものがなくても、ARIAカフェや音楽会のようなイベントがあるだけで私たちファンは満足できちゃう(笑)。必ずしも物語という形でなくてもいいので、今後も何かイベントをちょこちょこやってもらえると嬉しいと思います。
広橋
もうただのファンだよね。
斎藤
やってくれてありがとう、みたいな感じ。
Blu-ray詳細はコチラ ≫